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第38話 王都から届いた婚姻無効の訴え

last update publish date: 2026-10-22 20:43:30

第38話 王都から届いた婚姻無効の訴え

王都からの使者が北方砦へ到着したのは、ミレイユが資料室の見学を始めて三日目の昼だった。

その日は朝から雪が降っていたものの、風は弱く、砦の中には久しぶりに穏やかな空気が流れていた。リゼットはノエルと一緒に歴代祈紡ぎの記録を年代順へ整理し、ミレイユは少し離れた席で古い王宮関係者の名簿を読みながら、分からない名前が出てくるたびにガレスへ尋ねていた。

「この人、王宮魔術院長と書いてあるけど、その次の年には神殿へ移ってる。どうして?」

「それだけでは分かりませんな。栄転かもしれませんし、実質的な左遷かもしれません」

「王都では、左遷なのに『ご本人の信仰心が厚く』とか言います」

「北方でも似たようなものですよ。人間は都合の悪いことへ、もっともらしい名前をつけるのが好きですから」

「それ、お姉様たちが調べた祈紡ぎの『療養』とか『静養』と同じ?」

ガレスの表情が少しだけ変

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